ニキズキッチン英語料理教室 ブログ

外国人の自宅で習う世界の料理教室

柚子と味噌とふだん草


紀宮様(清子さん)と黒田慶樹さんの披露宴で腕を振るった 「帝国ホテル レ セゾン」ティエリーシェフのご飯を食べに行こうというお誘いが届きいってまいりました。

お食事は、サイドディッシュとアペタイザーはリモージュ釜のアビランドに載せられ、メインディッシュとデザートは白いお皿に盛られていました。これが今のフレンチの流行とのこと。そういえばアンジーもそんな風にお料理を盛りつけていたっけ。

前菜は2品。
●ヴィネガーの香りがするレーズンバターの上に褐色のパンが刺さり、生ハム(多分イベリコ)とイタリアンパセリが添えられたもの
※このアレンジは赤いワインに合う。イタリアンパセリの芳香が食をそそる。味はあっさりとしている。再現がしやすいメニュー。


●スモークの香りがする小さくキューブに切られた薩摩シャモにマスカルポーネとオリーブオイル、ブロッコリーのソース添え。
※塩味の効いたシャモにソルティで滑らかなブロッコリーのソース。とろり溶けたマスカルポーネが何ともいえない存在感。上質なオリーブオイルが絡むことにより一度にたくさんの芳香が口の中に広がる。

●パンに添えられているバターはノルマンディ産のノン発酵バターブルターニュ産のスズキのオーブン焼きに添えられたパンは「お魚用」として開発したパンで、割るとふんわり海藻の香りがする。

●すずきのオーブン焼き
※日本産のスズキではこの料理は再現できないとのこと。あえてブルターニュ産にこだわり空輸していただいたそう。スズキの下に薄くスライスされたセロリが添えられている。

●特選和牛厚切りサーロインのソテーグルヨットのジュ。
※このお肉。ローストビーフの真ん中だけをとってお料理をしたもの。上質の中の上質。さらにお肉にはピスタチオオイルが添えられている。

●ふだん草のグラタン フルムダンベール風味
ふだん草。南ヨーロッパ原産。日本では主に京都で栽培をされていて「うまい菜」と呼ばれている。青梗菜のような風味を持つ。これをミルフィーユ仕立てで重ねていき、最後に濃いミルクをかけてグラタンに仕立てたお料理

他デザート。

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全体的に大変バランスが良くとても美味しくいただくことができました。
ティエリーシェフは日本に来てまだ1年と少し。
「一番大変でおもしろかったのは素材探し。日本で手に入るものと入らないものがある。できれば日本国内で調達したいけれど、スズキ。これはブルターニュ産じゃなきゃこの料理には合わないんだ。日本に来て一番気にいった食材は味噌と柚子。味噌は赤も白も全ての種類に興味があるんだ。味噌と柚子が好きなら柚子胡椒を試せって?大阪で食べたよ。フレンチに?うーんそうだね..」

異国の地日本で受けた柚子と味噌のインスピレーションは彼をどう変えていくんだろうか。今回は赤座海老にレタスを巻いたお料理にしっかりと柚子の香りをしのばせていた。フレンチが瞬間に和風に感じられた素晴らしいお料理。

そして気になっていた紀宮様の披露宴で出されたメニューはというと..

「秘密です。メニューは心の奥深いところに隠されています笑」

「いいものに出会うと確実に後からジワジワと力になる。」

今回お誘いをいただいた方から会の後にいただいた言葉です。たしかにジワジワと力になってきているそんな感じのお料理達でした。