洋上で味わう極上寿司~飛鳥Ⅱ「海彦」 ~ その2 最終章
ニキズキッチンの古くからの常連さん「haruさん」から第二段が届きました。
先日お伝えした飛鳥Ⅱのダイニング。そこでの食事は基本的には乗船料に含まれておりますが、唯一有料のお店があります。それが寿司「海彦」。ここでの飲食はしっかりと料金が発生します。何とも強気な孤高の店よ…と思いつつも、試しに暖簾をくぐってみました。
まずはビールで乾杯。
出てきたお通しは「ところてん」。
でも何か違う。とくにその歯ごたえが。
「実はこれ、ところてんではなく、天然鮪の鱗や皮を煮出して抽出したコラーゲンです。ところてんに似ているので、ようにお出ししています」
なんと。鮪の臭みはまったくなく、つるりと、そしてところてんにはない噛みごたえが小気味よく、あっという間に間食。この通称ところてん、黒蜜ときなこをかけて葛きりのようにも提供されているのだとか。
いきなりお通しからぐっと心をつかまれ、期待が膨らみ、いざお寿司へ。
ぷりっぷりの艶やかなうに。軽くこぶ締めしたひらめ。酢の頃合いがちょうどいいこはだ。口の中でとろりととけていく穴子…。
船の上とは思えない、極上のネタが舌の上をおどります。
ちなみに仕入れは各寄港地での新鮮なもの。それが手に入らないときは空輸して届けさせるのだとか。なるほど、この状態のいい寿司にはスタッフの苦労があったですね(それはそうだ…)。
握ってくださったのは、飛鳥に乗って25年という菅原美貴夫さん。
25年、つまり就航当初からずっと飛鳥で働いているのだそう。
当然飛鳥のことは知り尽くしていて、25年間の多くのこぼれ話が出てくるわ出てくるわ。その話を聞いているだけでお寿司もお酒も時間もどんどん進んでいきます。
とても面白いお話が聞けますので、そのあたりも是非乗船して話を聞いてほしい。
こだわりのネタ、そして料理人との楽しい会話。試しに寄った海彦ではありますが、有料というのも納得の、クルーズの中でも忘れることのできない最も楽しい時間となりました。
でもそれだけではなかったのです。
後日、飛鳥Ⅱの写真の絵葉書がわが家に届きました。
何と「海彦」菅原さんからの葉書で、次の寄港地室蘭から、わざわざお礼の手紙を送ってくださったのでした。
下船してからも、気持ちをあたたかくしてくれる飛鳥Ⅱの「海彦」。またぜひ乗船して暖簾をくぐりたい、そんな思いがこみ上げました。
もし飛鳥Ⅱに乗る機会がありましたら、皆様もぜひ「海彦」で思い出に残るひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。