当日は、お玄関にウェルカムボードをご用意頂き、ご家族でリフォームなさった
綺麗な玄関での 温かいお出迎え。吹き抜け天井の横の階段を上ると
直ぐに レッスンを行うリビングダイニング。テーブルに ウェルカムドリンクのご用意頂いていました。
ダナさんとミミさんの自己紹介の後、ウェルカムドリンクの説明があり、クラス開講の感謝と共に乾杯。ウェルカムドリンクは、さっぱりめのフレッシュフルーツジュースの味がした 手作りクワスです。ミミさんのクワスは、この日のために 2日以上かけて手作りして下さったそうで、舌の上ではじける 密かで爽やかな発酵味が 新しいクラスの始まりを言祝いでいるようでした。
ニンニクに少量の水分を加え、肉と混ざりやすいようにペーストにした上で 肉に合わせていきます。この時 塩胡椒の味見をしてくださいと言われ、一同ビックリ(笑)。生の豚肉だからと怯んでいたら、ルーマニアの女性たちは ここで必ず味を確かめると…。更に驚いていたら、味見というのは 食べるのではなく、舌先に少量当てて 確認するのだと仰り、やって見せてくださいました。生の豚肉を口にしてはいけないと言われている
私たちには 紛れも無いカルチャーショックでしたが、確かに 指先に少量つまんだまま舌に当てて 直ぐに破棄しておいでなのを拝見し、なるほどと 感心。
ソーセージの皮(腸)を ルーマニアからお持ちになられた腸詰機に被せていきます。ダナさんのインストラクションの元 全員が挑戦しました。用意した腸に詰め終わって、お肉が余ったので、ミミさんが 腸に詰めない皮なしソーセージ(mititei :ミディティ)を作ってみますかと提案してくださり、もう1つのルーマニアの名物料理も出来上がりました。
ソーセージ作りを終えたら、ボーフサラダです。材料のキューブカット開始と同時に マヨネーズを作り始めます。ゆで卵をメインに使用したマヨネーズは、今まで知っているものとは
全く別物でした。ここで オリーブオイルは使えるかとの質問があがりましたが、ミミさんは
オリーブオイルの味は このサラダには オイリー過ぎると仰いました。塩胡椒は
家庭によって ソースに加えたり 野菜に加えたりしますが、ミミさんは 両方に少しずつ加えるのが良いと仰いました。完成したマヨネーズを、カットした野菜・コーン・豆・同じサイズに切ったキュウリのピクルスに流し入れ、よく混ぜ合わせてから 盛り付け。飾り付けを楽しんで完成です。ミミさんのマヨネーズは 舌触りがよく、大変美味しかったです。
ここで、ピクルスがとても美味しかったので、作り方を伺いました。ピクルスには
塩水と 酢で漬けるものとの2種類あって、今回使用したのは 塩水でつけた方のピクルスです。酢で漬けた方も味見させて頂きました。全く別物の味で、これまたびっくりです。漬け込む時間は
やはり10ヶ月から1年は必要で、2〜3年保存出来るとのこと。ルーマニアでは、トマトのピクルスも作るそうで、とても美味しいそうです。爽やか系のハーブと共に漬け込んだルーマニアのピクルスは、塩辛さも控えめで、好みでチリを入れても良いそうです。
次に、ビーンズ ボルシュ。
豆はルーマニアの豆ですが、日本でも代用できる豆を教えて頂きました。煮豆と炒め野菜を別々に調理し、野菜には 手作りトマトジュースも加え煮てから、最後に合わせて レモンジュースとパセリを加え、塩胡椒で味を整えます。
スープを作っている途中で、ザクースカを知っていますか?との質問。ロシア料理では
前菜ですが、ルーマニアでは パンに塗って食べるペーストで、ミミさんは魚で作るとのこと。味見しますか?とのお言葉に 全員が大きく頷きました。野菜で作ることも多いですが、ミミさんは魚で作ります。今回はサーモンと野菜。ルーマニアでは、鯉で作られるそうです。何だか 懐かしい味がしました。ミミさんは 色々なものを 季節季節に保存食にするそうです。スープに使用したトマトジュースも夏の完熟した美味しい時に
たくさん作って 瓶詰めにし、冬場の料理に使ったり そのまま飲んだりするそうです。味を見ますかとのオファーを断るはずはありません。想像した サラッとしたジュースではなく、とても濃厚な
複雑な味のソースに近いトマトジュースでした。
キッチンにロンリコや自家製の梅酒・苺酒があったので、お酒の話に。
"ツイカ"をどうですか?との質問。ツイカ?追加?何の?と 不思議に思っていると、"ツイカ :Tuica" とは ルーマニアを代表するフルーツ酒で、アルコールは50度以上ありますが、日本の梅酒のようなもの。どこの家庭でも作るウォッカのようなものだそうです。ルーマニアから持ってきたものがあるから
飲んで見ますかとおっしゃってくださったので、お食事の時に体験させていただくことにしました。プルーンで作られた香りの良いツイカは、大層可愛らしい ルーマニア民芸品のカップで頂きました。雑談の中で、パリンカ?も美味しいと、お酒好きなダナさん。ロンリコ飲みます?と聞かれ、それはご遠慮しましたパリンカは
いつか飲んで見たいなと思いました。
お料理はここまで。コゾナックは 時間がかかるので、今回は作り置きで。機会があれば
皆と一緒に作りたいと仰っておいででした。コゾナックも 食卓に並ぶ前に お味見が出ました。塩気と甘みとバターのコクで 大変風味の良い 今まで食べたコゾナックの中では1番のものでした。ダナさん曰く、最近は パネトーネのようなパサパサの物が多い中、ミミさんのコゾナックは
トラディショナルで今の時代にはルーマニアでも珍しいものだそうです。
食卓のスープ皿も ルーマニアからお持ちになられたもので、手作りのとても素朴なものでした。
食事中、ルーマニアの御家族の話、お母様方のファミリーの話、ルーマニアにいらした折に住んでいらした王宮のようなお家の話、そして
こんな時代なので 質問するのに少し躊躇したのですが、どんなお返事が来るかと 今のルーマニアについても伺いました。ダナさんは 様々な分野に しっかりとした意見を持ち、自国の歴史や文化についても知識があって
どんな人とも会話が成立する mature な女性だと心から思いました。ミミさんは
料理のみならず ルーマニアの婦人らしく 手仕事が大好きとのお話。現在進行形の手編みのセーターなども 見せて頂き、皆和やかに 楽しく美味しい時を過ごさせていただきました。
お持ち帰りとして、自分たちで作った生ソーセージと、コゾナックのご用意があり、あとは
お皿に残ったものを それぞれ頂いて帰りました。
ミミさんとダナさん、お二人のやりとりも 心温まり、私たちへの折々のお心遣いも さりげなく微笑ましく、ルーマニアの文化を
何でも体験して貰おうとお考えになっているのを感じ、大変ありがたかったです。
今後の希望として、ルーマニアのお母さんたちが作る サルマーレとキフテレが メチャクチャ美味しいと
聞いていますので、ぜひ 食してみたいと思います。
また、今回 料理に使った ピクルスも、塩水と酢の二種を 作って持ち帰るのもやってみたいです。大変穏やかな味のピクルスでした。また、会話に出て来た
ルーマニアンピザ! カリフラワーやブロッコリーをペーストにして 少量の小麦を繋ぎとして混ぜ、伸ばしたものを台にして ピザを作るそうです(°_°)! 興味があります。
ママリーガや チーズ料理、また ルーマニアのフルーツティーも飲んでみたいです。
ミミさんは今後は 日本語も勉強をはじめるそうです 日本語でのクラスにも
期待できるでしょう。