芋 (日本)
●飯にメキシコ料理のタコスの具をのせたものをタコライスと呼ぶ。
タコライスの歴史は実にまだ浅い。
発祥は約20年前の1984年。沖縄・金武のパーラー「千里」が大食漢の米兵相手に受ける食事を考え生み出したのが始まり。今では「千里」のチェーン店「キングタコス(通称キンタコ)」を市内外に7店舗も持つほどの人気店だ。
このお店の特徴は、旨い・安い・タップリ。まさに吉野家牛丼のB級グルメ沖縄版である。購入方法はチケット制。ただのタコライスを頼むとご飯とタコミートのみ。いわゆる世間に普及しているレタストマト付は「タコライスチーズ野菜」(600円)。1オーダーで充分2人分はある。このタコライスの特徴はスパイシーなミート。そしてサルサソース。野菜の旨みと辛さのはいった実に美味しいサルサがチューブに入って付いてくる。
沖縄で人気のキンタコ。本土の観光客にはあまり知られていない本物のご当地グルメである。
●首里料理
沖縄の主食は米ではなくサツマイモ(ンム)だそうだ。台風が通るため米の育成は難しかったらしい。
首里料理を食べてみた。「富久屋(沖縄県那覇市首里当蔵町1-14)」メニューは全て首里の方言で書かれている。
沖縄料理との違いは味付けにカツオダシと味噌をベースにしたあっさりした味わい。和食の会席料理に良く似ている。
定食には小豆ご飯、うさちぐゎー(大根と人参の酢の物)、どぅるわかしーコロッケ(田芋のコロッケ)、ジーマミ豆腐(ピーナッツ豆腐)、かんぴょういりちー(かんぴょう、昆布、豚肉の炒め物)、びらがらまち(ネギの和え物)の7品が付いてくる。
これに沖縄そば定食であれば沖縄そばが付き、むじ汁定食であればむじ汁がついてくる。
定食はすべて1000円前後。
なかでも「むじ汁」は最高に旨い。ねばりが強い沖縄自慢の芋、田芋(ターンム)の茎を味噌仕立てにスープで、味わい深い具沢山の料理に箸がすすむ。
そして同じく田芋(ターンム)を使ったどぅるわかしーコロッケ。中には田芋の他にカステラカマボコや干ししいたけ、豚三枚肉、グリンピースが混じる。サクサクしたコロッケの皮の中にひそむ粘りの強いターンム。混じり合ったこれらが喧嘩をせずに絶妙な味わいで口の中に溶け込んでいく。食べても食べても飽きることがない。
さすが沖縄、宮廷のあった首里の主食。しかもこれらは目出度い席で食べる晴れの日のおかずなんだそうだ。
ねば~とした田芋が食べたい。
ということで朗報。首里の富久屋で働いていた女の子が神奈川・大船で店を開いているとのこと。
大船 アンダンスー
●農連市場
那覇と那覇国際空港の間にある農連市場。これこそ沖縄独特の市場である。
朝 自分の畑で収穫した もしくは 生産者に頼まれて売る沖縄野菜。売り子は沖縄のおばあ。買うのも沖縄のおばあ。
市場には沖縄と沖縄のおばあがあふれている。
しかもこの市場は野菜とおばあが迷宮のように広く長く続いている。あれれ帰り道はどこだっけ。
スライスされた青パパイヤがビニールいっぱい入って一袋100円。うそぉ~と驚いた顔をしていると、早速売り子のおばあにとっつかまった。子供2人を店で預かるから 好きに中をのぞいてこいとのこと。おばあ ありがとう。カメラを片手に迷宮に進む。
たっぷりと油ののった島豚三枚肉がずらりと並んだお肉屋、じーまみ豆腐専門店、沖縄かまぼこ専門店のジランバ屋。
そして迷宮の角にはサツマ芋や田芋の山。
隅っこのほうに私たちが普段食べているジャガイモ男爵が申し訳なさそうに積んである。
そこには『芋(日本)』と書かれていた。
(※IOさん 農連市場と富久屋情報ありがとうございました 楽しく沖縄を過ごせました)