イタリア南部に位置するシチリア島は、九州の2/3にも満たない大きさの中に、
3000年近い激動の歴史によってギリシア、イスラムなど多種多様な文化が刻み込まれています。
ロバートのイタリア食紀行の第2弾となる今回は、
このシチリアを舞台に、さまざまな表情を見せる独自の食文化を探検します。
またこの企画では特別に、南仏サンレミ・ドゥ・プロヴァンスの高級オリーブオイル
「ムーラン・デュ・カランケ」を3種類「アグランド、アサンブラージュ、グロサーヌ」を使用しました。
それぞれ味わいの異なる本物のオイルが料理にどのように反映していくのか
実際のレシピと共に勉強していきましょう。
最初に、クラスで使用したプロヴァンスのオリーブオイル「ムーラン・デュ・カランケ」をご紹介します。
パリからTGVに乗り2時間。
そこから車でさらに1時間。
南フランスの高級リゾート地「サンレミ ドゥ プロヴァンス」に住む
ジルとアンヌ兄妹。
「ムーラン・デュ・カランケ」はジルとアンヌ兄妹によって生み出されました。
この兄妹、実に苦労をされた方たちです。
オリーブ街道の名前がこの地に残っているほど、かつてはオリーブ畑が一面に広がる
一大産地として栄えていたのですが、今から50年前、霜害によってすべてのオリーブが
全滅してしまいました。
かつて盛んだったオリーブを蘇らえそうと、兄妹は畑にオリーブの木を植え、丹念に育てました。
そして10年。
苦労の末、いまではフランスの農業コンクールで金賞を何度も受賞するほど
すばらしいオリーブオイルを生産できるようになりました。
それが「ムーラン・デュ・カランケ」です。
創業11年でパリ農業コンクール(SIAL)にて10回受賞。
フランスではミシュランの星付きシェフが、「カランケのEXVオリーブオイルを使った○○○の前菜」
とメニューに書くほど、美味しい味とフレッシュな香りが特徴の、食通の方たちの御用達のオイルです
名誉ある「ムーラン・デュ・カランケ」のオリーブオイルがロバートのキッチンにやってきました。
さぁ実際にお料理をつくってみましょう。
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つかったオリーブオイルは3種類です。(250ml 各2100円)
●オリーブオイルその1:『アグランド』
オリーブオイル特有の辛味と苦味をしっかりと活かしたい、という方にオススメ
●オリーブオイルその2:『グロサーヌ』
サラダにオリーブオイルを使いたい、という方向け。
フレッシュな香りとマイルドな味わいが特徴的
●オリーブオイルその3:『アサンブラージュ』
色々な使い方ができる極上のオリーブオイルをお探しの方には『アサンブラージュ』が一番オススメ!それは、5種類のオリーブを混合してつくったオリーブオイルは、どんなお料理にもぴったり馴染み、引き立たせます。
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レシピ提供:ロバート
レシピ作成、写真:IO
Italian White Bean Salad with Tuna Poached in Olive Oil
●『アグランド』を使用したツナと『アサンブラージュ』を使用した白いんげん豆のサラダ
※ツナと白いんげん豆のサラダ
Herb Roasted Leg of Lamb
●『アグランド』を使用した
※ハーブ風味のラムレッグロースト
Sicilian Caponata
●『アグランド』を使用した
※シチリアのカポナータ
Cannolis with Ricotta Cheese-Orange and Olive Oil
●『グロサーヌ』を使用した
※オレンジ風味のリコッタチーズを詰めたカンノ―リ
レシピその1:
Italian White Bean Salad with Tuna Poached in Olive Oil
ツナと白いんげん豆のサラダ
●材料
オリーブオイル(※アグランド)マグロを調理するのに十分な量
生のマグロ 一人当たり約55g
ファジョ―リ・カンネリ―ニ 白いんげん豆 乾燥状態で2カップ
ベイリーフ 2枚
セロリみじん切り 1/2カップ
レッドオニオンみじん切り 1個分
にんにくみじん切り 1片
赤パプリカ 1個 ローストして小さく切る
イタリアンパセリ大きめのみじん切り 3/4カップ
ディジョンマスタード 大さじ1
レモン汁 大さじ3
レモンの皮すりおろし 1個分
エクストラバージンオイル(※アサンブラージュ) 1/2~3/4カップ
塩、こしょう
ルッコラ
●作り方
1)白いんげん豆は一晩水に漬ける。豆の2倍量の水と鍋に入れ、
ベイリーフを加えて豆が柔らかくなるまで加熱する。
水切りし、冷ましておく。
2)フライパンにオリーブオイル(※アグランド)をたっぷり入れ、
マグロを加え、とにかく弱火でじわじわと加熱する。
(オリーブオイルは温度が上がりすぎないよう注意)
3)中心にちょうど火が通った半生位がベストの状態。
マグロを取り出し、冷ましておく。
4)小さいボウルにマスタード、にんにくみじん切り、レモン汁、塩、こしょうを加え混ぜ、
少しずつオリーブオイル(※アサンブラージュ)を絶えずかき混ぜながら加えていく。
5)大きいボウルに豆、レッドオニオン、セロリのみじん切り、赤パプリカ、
イタリアンパセリを混ぜ合わせ、4)のドレッシングと混ぜ合わせる。
しばらく置いて味をなじませる。最後にルッコラを加え混ぜる。
お皿に盛りつけ、スライスしたマグロを添えていただく。
ぴりっとしたディジョンマスタードとオリーブオイルの香りがするビネクレットが
半生のまぐろにぴったりと合います。美味しい!
レシピその2:
Herb Roasted Leg of Lamb
ハーブ風味のラムレッグロースト
●材料(10人分)
骨なしのラムレッグ 2.5キロ
ローズマリー みじん切り
パセリ
にんにくみじん切り
レモンの皮
塩、こしょう
オリーブオイル(※アグランド)
●作り方
ボウルにラム以外の材料を混ぜ合わせる。
ラムレッグ全体に塗り、冷蔵庫で一晩寝かせる。
余熱したオーブンで中心がミディアムレアになるまで焼く。
※使用したラムは生後9ヶ月のものを使用。一番美味しい時期です。
レシピその3:
Gremolata
グレモラータソース
●材料
イタリアンパセリみじん切り 1/4カップ
にんにくみじん切り 1片
レモンの皮 1個分
エクストラバージンオイル(※アグランド) 1/4カップ
塩、こしょう
●作り方
すべての材料を混ぜ合わせる。ラムローストに添えていただく。
レシピその4:
Sicilian Caponata
シチリアのカポナータ
●材料
ナス角切り 2カップ
たまねぎ 1個 ナスと同じくらいの大きさに切る
赤パプリカ 1個 ローストする
にんにくみじん切り 2片
トマト 皮をむいて種を取り、角切りにしたもの 1カップ
ケイパース 大さじ2 粗みじん
カラマタオリーブ 1/2~3/4カップ 1/4に切る
チリフレーク 小さじ1
イタリアンパセリ 大さじ1~2
バルサミコ酢 1/4カップ
オリーブオイル(※アグランド) 1/2カップ
塩、こしょう
●作り方
1)ナスを炒める。大きいフライパンを高温に熱し、オリーブオイルも高温にしてからナスを中強火で炒める。(こうすることで余分なオイルをナスが吸収するのを防ぐ)取り出す。
2)フライパンにオリーブオイル大さじ2を温め、ニンニクみじん切りをソテーし、玉ねぎを加え、透明になるまで炒める。
チリフレークを加え3分ほど加熱する。
ナスを戻し、赤パプリカ、トマト、バルサミコ酢、洗って水切りしたケッパー、刻んだイタリアンパセリ、粗く刻んだオリーブを加える。
(今回はトマト缶も使用)5~10分ほど加熱する。塩、こしょうで調味する。
少し辛みのあるグレモラータソースは柔らかいラム肉に絡み癖になる味に
止まりません!
レシピその5:
Cannolis with Ricotta Cheese-Orange and Olive Oil
オレンジ風味のリコッタチーズを詰めたカンノ―リ
●材料
◆リコッタオレンジ オリーブオイル フィリング
リコッタチーズ 3カップ
マスカルポーネチーズ 1カップ
粉砂糖 1 1/4カップ
バニラエクストラクト 小さじ2
エクストラバージンオリーブオイル(※グロサーヌ) 1/2カップ
オレンジの皮を削ったもの 小さじ1~2
塩 ひとつまみ
生クリーム
◆カンノ―リシェル
小麦粉 4カップ (17オンス)
砂糖 1/4カップ
シナモン 小さじ1
ホワイトビネガー 3/4カップ
ショートニング 1/4カップ
卵 1個+卵黄2個(卵白は生地の糊づけとして使うのでとっておく)
◆仕上げ用
ピスタチオ
チョコレート
●作り方
フィリング
すべての材料をボウルに入れて混ぜ合わせる。
クリーミーにならない時は生クリームを適宜加え混ぜる。
(イタリアでは通常リコッタチーズのみで作りますが、
日本で手に入るリコッタチーズはぼそぼそしたものが多いので、
今回マスカルポーネチーズとブレンドし、さらに生クリームを加えています)
カンノ―リシェル
1)揚げる油を用意する。油の温度に注意しながらドウの準備をする。
油の温度は350度(華氏)まで温める。
2)ボウルに小麦粉を入れ、ショートニングを小さく切って加え、手ですり混ぜる。
あるいはペストリーブレンダーに小麦粉とショートニングを入れて混ぜる。
砂糖とシナモンも混ぜる。
3)中央にくぼみを作り、ビネガー、全卵1個、卵黄2個を加える。
生地がまとまるまで混ぜる。少し乾燥した生地ができる。軽くこねる。
4)生地を取り分け、打ち粉をして麺棒で楕円形にのし、
カンノ―リ型に巻いて巻き終わりが少し重なるくらいの大きさにする。
巻き終わりに残った卵白を軽く泡だてたものを塗って閉じる。
全部のカンノ―リ型に生地を巻き、油の温度が350度(華氏)になったらカンノ―リを2,3個ずつ揚げる。
こんがりきつね色になったら取り出してペーパータオルの上で油を切る。
(2,3分で揚がるのでよく見ていること)
油から取り出したらカンノ―リの型をたたいて生地から動かしておく。
(型を生地からはずすのは冷めた後でよい。
完全に冷めてから型を動かそうとすると生地にくっついて取れないことがある)
5)完全にさめたら生地からカンノ―リの型をゆっくりはずす。
もし生地の内側が白いようであれば油の温度が高すぎて表面だけが揚がっているので、
油の温度を下げて生地全体が色づくようにする。
●仕上げ
フィリングを揚がったカンノーリ生地の中に絞る。
チョコレート、ピスタチオは細かく刻んでおく。
カンノ―リの片側にチョコレートをまぶし、反対側にピスタチオをまぶす。
今回使ったリコッタは2種類。このリコッタはクリーミー
若々しいオリーブオイル グロサーヌを使用したことで、よりフリーティな味わいに!
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◆カランケのオイルを楽しめるお店です。↓
Bistro un coup(広尾) : 自然派ワインとビストロ料理のお店。「ムーラン・デュ・カランケ」のオリーブオイルとコンフィチュール、天然酵母パンの朝食が食べられますよ~。
http://www.bistro-uncoup.com/
◆ムーラン・デュ・カランケ販売元
(ネットで買われる方)
http://www.la-maison-d-ex.com/
◆ムーラン・デュ・カランケ販売元
(お店に直接買いに行かれる方)
◎ファクトリー(九段下):パンがおいしく、こちらの朝食は、
先日、雑誌「ブルータス」のおいしいもの保存版で紹介されていました。
http://www.factory-kudan.com/
◎パンとエスプレッソと(表参道) :“日本のハード系パン”をテーマにしたパンとコーヒーのお店です。
http://www.bread-espresso.jp/index.html
◎タカギクラヴィアカフェ(渋谷) :ちょっと落ち着いたグランドピアノがおいてあるカフェです。物販だけでも立ち寄れます。
http://www.cafetakagiklavier.com/cafe_f.html
◎ピピ・ダンジュ(横浜・石川町) :ワイン屋さんです。カランケのオリーブも試食できます。
http://blog.livedoor.jp/la_maison_d_ex/archives/2771579.html
◎オレンジのバイテン(神谷町) :放送作家・小山薫堂氏の会社の受付のバイテンにて、季節によって取扱い商品が変わります。(現在は、テーブルオリーブとオリーブオイル)
http://www.cafeblo.com/orange/entry-769cca5ec8d70328c82812d437b341e1.html
◎ブランジェリーカフェ小麦(埼玉・さいたま市) :“体に優しい美味しいパン」をモットーに作っている天然酵母パンのお店。
http://blog.komugi.main.jp/?eid=1631316